七福神の信仰は室町時代の末期に始まり、当時の庶民性に合致して民間信仰のもっとも完全な形となって育てられてきました。特に農民・漁民の間で信仰され現代に伝承されてきました。

　七福神のうち、大黒天・毘沙門天・弁財天・布袋尊は仏教、寿老人・福禄寿は中国の道教・神仙観、恵比寿神は日本神道の出身とされています。仏教を中心として中国宗教と混合して出現したのが七福神と称されており、信仰七種の徳を支配する神として盛んになり、中国より伝来した思想と、古来より日本で信じられていた俗信が、仏教思想を基に入り混じって生じた信仰であると伝えられています。

　七福神の語源は「仁王教」の中にある「七難即滅七福即生」から称されたものといわれ、七福神をお参りすると七つの災難が除かれ七つの幸福が授かるといわれております。

恵比寿
七福神唯一の日本の神様で、漁業・商売繁盛の神として信仰されています。

八坂神社（九十九里町）
元来、両氏の町であることから、漁業家の信仰が特に厚い。1904年に台風で旧社殿が倒壊し、1904年に再建された。毎年2月7日の祭礼日には、神輿の渡御のほか、千葉県無形民族文化財に指定されている獅子舞が奉納される。この獅子舞は珍しい女形の獅子舞で、若い世代に受け継がれている。

大黒天
大地を掌握する神様といわれ、財宝・福徳海運の神として信仰されています。

五所神社（蓮沼村）
承安元年（1171）の創建といわれ、現在の本殿は桃山風の五間社造りで、千葉県重要文化財に指定されている。遠山出雲亮の寄進による鎌倉時代の懸沸を初め、源頼朝公、水戸光圀公、堀田相模守等、領主地頭の崇敬も厚く、数々の寄進があったことが古文書により明らかである。上総國山辺の総社と称されていた。

布袋尊
弥勒菩薩の化身といわれ、笑門来福、夫婦円満、子宝の神として信仰されています。

四社神社（横芝町）
元禄元年（1688）の造営といわれ、境内には子易神社・三峯社・浅間社が合祀されている。古来より正月18日の祭礼に里神楽が奉納され、同時に「湯立て神事」が執り行われる。俗に潮祭りと呼ばれるこの神事は、大釜に沖合いから運んだ海水を沸かし郷中安全と豊漁を祈願する。

毘沙門天
仏教四天王の一人で七福神中唯一武将の姿をしており融通招福の神として信仰されています。

真光寺（白子町）
宝永7年（1710）の開基と伝えられ、本堂は平成12年に新築された。墓地南方に、幕末、九十九里叛乱を起こした眞忠組の矢野重五郎の墓がある。（白子町指定文化財）文久4年、寺の位置する剃金中の台で討伐され、最後まで抵抗した矢野重五郎は、ここで討死し、ここ真光寺に葬られた。

寿老人
星の化身で、不老不死の霊薬を持つといわれ、長寿延命、富貴長寿の神として信仰されています。

要行寺（大網白里町）
徳治元年（1306）また一説には正和4年（1315）の開山と伝えられえている。慶安3年（1650）現在の地に移ったが、安永3年（1774）火災で消失したため、再建された。江戸時代には、幕府から十万石諸侯の格式が与えられていた。参道の朱色の山門が印象的で、本堂の前には梵鐘と観音像がある。

福禄寿
長寿・幸福の徳を持ち、招徳人望の神として信仰されています。

観明寺（一宮町）
天平6年（734）の開基と伝えられ玉前神社の別当寺であった。現在の本堂は昭和43年の落成で、堂内には旧本堂の欄間が収められており、それには房州の井上円徹作といわれる地獄極楽図が彫刻されている。写実的に描写されたその彫刻は、訪れた人の洗心の糧として貴重なものとなっている。

弁財天
七福神中、唯一の女神であり、知恵財宝、愛嬌縁結びの徳があるといわれています。

（長生村）
田園風景の中、赤い屋根が目をひく本堂は、天宝14年（1843）に再建されたもので、弘治3年（1557）の創立といわれる。境内墓地には文化年中の漢学者「松連斉」とその弟子「東遊」の碑があることから、当時寺子屋として村民の教育に携わっていたことがうかがえる。